
みなさん、「途中降機(ストップオーバー)」ってご存知ですか?私はこの夏休みにたまったマイルでANA提携航空会社の特典航空券を初めて予約し、海外旅行をしました。その時、「途中降機」をして2か国目も無料で楽しむことができました!これ、マイラーは知っておいて損はないと思います。
今回は、ANAマイレージクラブの利用条件と実体験をもとに、マイラーが倍のお得感が持てる途中降機の裏技をご紹介します。
「ANA国際線特典航空券」についてもっと知りたいという方は、次の前記事をどうぞ!
■ANAマイレージの国際線特典航空券のしくみを学ぼう【ANA国際線特典航空券の予約シリーズ①】
■マイルがたまった時の特典航空券の予約の方法を教えます【ANA国際線特典航空券の予約シリーズ②】
■海外航空券の格安な予約方法はどれか?周遊旅行(羽田~イスタンブール~パリ)の場合【ANA国際線特典航空券の予約シリーズ③】
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「途中降機(ストップオーバー)」とは何か?「乗り換え(トランスファー)」「途中寄航(トランジット)」との違いは?
■「乗り換え(トランスファー)」
これ、海外航空便では一番多いです。空港内「Transferはこちら」という表示にそって進んでる乗客多いですよね。目的の国(空港)へ直行ではなく、途中他の空港に立ち寄り、24時間以内に別の飛行機に乗り換えることをいいます。「乗り継ぎ」や「経由」という表現も同じ意味です。安い便に多いですよね。
■「途中降機(ストップオーバー)」
トランスファー(乗継)が必要なチケットで、乗り換えを同日行わず翌日以降の便を利用する場合など、乗り換え地で24時間以上滞在することをいいます。
途中降機地は、便検索結果で表示される乗り継ぎ地を利用してもよいし、新たに行きたい国に途中降機できるような便を組むこともできます(自分はこれ)。
つまり、当初の第一目的地以外に観光できる、第二目的地(途中降機地)を新たに追加できる感覚に近いでしょうか。

一般予約だと、途中降機を設定するのに無料もあれば追加料金(5千円、1万円など)がかかるものもあります。航空会社や便によって異なるので予約時に確認しましょう(LCCは途中降機できません)。ただし、ANA特典航空券の場合、なんと無料で途中降機が1回可能なのです!
「期限は数日間程度でしょ」とお思いのあなた、ANA(提携航空会社含む)だと出発日から1年以内もの長い間途中降機が可能だそうです(どこにも書かれていません。ANAコールセンターに聞きました)。例えば、今年7/1出発なら、翌年7/1まで(最終日の翌日まで)可能になります。
■「途中寄航(トランジット)」
フライトの途中に給油などのためにいったんどこかの空港に立ち寄ることです。乗客はいったん飛行機を降りて待合室で待ち再び同じ飛行機に乗り出発します。基本的に空港からでることはできません。乗り換えに比べると多くありません。
ANAマイレージクラブの利用条件から「途中降機(ストップオーバー)」の規定を読み解く
ANA特典航空券をマイレージクラブのサイトから検索・予約するときは、まず「ANA国際線(ANA直行便のみ)」か「提携航空会社(スターアライアンス:海外28社)」を選んで進みます。

ですから、途中降機の利用条件は、どちらを予約するかで微妙に違います。下線部分が異なっています。
【ANA国際線特典航空券(ANA直行便)の利用条件】
【途中降機(24時間を超える滞在)】
・日本発は、途中降機できません
・海外発の途中降機は、目的地以外に1回可能です
【乗り換え】
・日本国内で往路・復路各2回まで可能です
※目的地は乗り換えの回数には含みません
※地上移動区間がある場合は、両端の都市を合わせて1回の乗り換えと数えます
※途中降機は乗り継ぎ回数に含まれます
【提携航空会社特典航空券(スターアライアンス)の利用条件】
【途中降機(24時間を超える滞在)】
・日本発・海外発ともに途中降機は、目的地以外に往路・復路いずれか1回可能です
【乗り換え】
・日本国内で往路・復路各2回まで可能です。さらに、日本以外で往路・復路各2回まで可能です
※目的地は乗り換えの回数には含みません
※地上移動区間がある場合は、両端の都市を合わせて1回の乗り換えと数えます
※途中降機は乗り継ぎ回数に含まれます
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■ANA国際便(直行便)の場合、「日本発(往路)は途中降機できない」が、提携航空便の場合はできるのはなぜでしょうか。ANA国際線は日本発直航便のみ(海外空港間のANA便は就航なし)なので、日本発の海外途中降機や乗り換えという概念が成り立たないからです。ただし、海外発(復路)では1回可能です(日本国内で)。例えば、ソウル発大阪行きの場合は東京で途中降機が可能です。
■一方、提携航空便の場合、多くの海外航空会社が多方面に就航しているため、日本発・海外発ともに乗り継ぎ(途中降機)がどこでも可能なので、途中降機による複数都市周遊を考えている方は、組みやすいです(自分もそう)。乗り換えは日本国内往復各2回、日本以外で往復各2回も(途中降機1回分も乗り換え1回としてカウント)可能なので、直行便の空席がない場合でも、複数回乗り継ぎすれば特典予約できる可能性が高くなります(時間・手間がかかりますが)。
提携航空便(スターアライアンス)の「乗り換え(途中降機)地点の制限」と予約の実際
ANA直行便にはありませんが、海外の乗継可能な提携便には、ズルをさせない制限規定があります。まず、必要マイルチャートのもとになる「提携便のゾーン区分」を見てください。

利用条件には、「出発地からの必要マイル数がより高いゾーンの都市を乗り換え地点にすることはできません」とあります。そりゃそうですよね~。必要マイル数の低い「ゾーン2や4のアジア」を目的地にして、マイルが不要な乗り換え(途中降機)地点をはるか遠くの「ゾーン7の欧州」にしたのでは、採算があわないですから。
必要マイル数をもとにしたゾーン区分を、さらに「乗り換え制限のある地点」としてエリア整理した一覧表をもとに、特典航空券の乗り換え(途中降機)を考える必要があります。

今回の私のヨーロッパ周遊旅行では、日本(エリア3)を出発地とし、トルコ(エリア2:欧州)を目的地とすると、エリア1(北米など)は乗り換え(途中降機)できないので、マイル効果が一番高いパリ(同じエリア2:欧州)を途中降機地(復路)に設定しました。
途中降機地(パリ)が決まったら、あとはANAマイレージクラブのサイトにログインし、「提携航空会社」⇒「複数都市・クラス混在」をクリックし進み、次の画面のように旅程を入力します。区間1は往路(羽田~イスタンブール)、区間2は途中降機地(イスタンブール~パリ)、区間3は復路(パリ~羽田)を入力・検索し、空席があれば特典航空券の予約ができます。

最後の支払い画面では、必要マイル数は目的地1か所のみのイスタンブール往復と同様の60,000マイル(欧州エリア)で済みました。

つまり、目的地2「パリ」の途中降機に伴う区間2(イスタンブール~パリ)の特典航空券の追加、区間3(パリ~羽田)の特典航空券の変更は無料ということです。ただし、税金・料金の29,270円は、パリ途中降機に伴う空港使用税や旅客サービス料が上乗せされるので数千円高くなったようですが。
提携航空便での乗り換え・途中降機の実際(私の夏の欧州周遊旅行より)
今回の私のマイルを使った特典航空券周遊プランは次のとおり。
【トルコ~フランス11泊12日旅の特典航空券】
■7/23(日)羽田~(乗り継ぎソウル)~イスタンブール(IST):アシアナ航空
■7/30(日)イスタンブール~パリ(CDG):ターキッシュ航空
■8/2(火)パリ~羽田:ANA(翌日到着)
■7/23羽田空港チェックイン
事前にANAウェブチェックインを済ませていたので、往路のアシアナ航空(スターアライアンス加盟)はカウンターでのチェック不要でそのまま保安検査場に直行できるのかと思いきや、ANAウェブチェックイン規定では、スターアライアンス便のウェブチェックインはできないらしい。
仕方なくスターアライアンスの特別レーンからカウンターへ。チェックインカウンターで、印刷しておいたeチケットを見せて、搭乗券を発券する必要がありました。紙の搭乗券2枚(往路分:羽田~仁川まで、仁川~イスタンブールまで)をもらいました。乗継便の搭乗券をもらっていない場合は、乗り継ぎ空港のトランスファーカウンターで発券してもらうようです。
スターアライアンスのカウンターなのに、ANAの担当者が対応しているのは不思議な感じがしました。事前にウェブで広かろうと座席指定しておいた席が「トイレが真後ろにあり、落ち着かないと思いますので、今変更も可能ですが」とアドバイスあり。アシアナ航空便なのに、さすがANAは親切です。
なお、自分の荷物は機内持ち込みだけなので問題ありませんでしたが、預け入れ荷物は原則として最終目的地まで受け取ることができないようです(スルーチェックイン)。乗り換え空港でいちいち荷物を受け取らなくてよいので便利ですが、途中降機地で数日過ごす場合は気を付けてください。
■7/23乗り継ぎ地:仁川空港に到着
到着後、「international transfer」の表示を進みます。
手荷物検査場に到着。乗り継ぎは入国審査不要。機内で出されたミネラルウォーターが没収され、また仁川空港で買うはめに。
搭乗口前は、巨大なショッピングモールのよう。さすが国際ハブ空港の仁川空港
二階にあがると、左右端には航空会社カウンターがあり、その先に進んでよいものかと迷いましたが、進むと・・・
誰でも利用できるサイレントゾーンがありました。この部屋の中は薄暗くて、寝心地のよいリクライニングチェアーがたくさんあり、多国籍の乗客が寝てました。これは便利な施設
乗り換えだけでも使える有料シャワー設備
仁川空港には、乗り換え滞在時間で楽しめる観光地ツアー(24時間以内の滞在者のための「トランジットツアー」)のパンフがあり、多数の乗り換え客が来るメリットを生かした取り組みだなと思いました。
出国審査と入国審査の時間を自分で勘案してツアーに参加するようです。無料(でも英語ガイド)がうれしいですね。
ツアーは1時間からあるようですが、空港が激込みの時期は、出入国審査にそれぞれ2時間(合計4時間)はみておいた方がよいので、ツアー1時間の場合でも、最低5時間の滞在時間は必要でしょうね。
■7/23第一目的地:アタチュルク国際空港(イスタンブール)に到着
入国審査では外国人の行列ができていて、1時間以上かかりました。手前には、なぜか「イラク国民専用レーン」があり、テロ警備対策なのかなとも思いました。
カッパドキアの奇岩群。映画の世界みたい。マイル最高!
■7/30ターキッシュエアラインで途中降機地パリへ出発
ターキッシュエアラインズは提携便(スターアライアンス)ですが、往路のアシアナ航空便と同様、スターアライアンス便のウェブチェックインはできないらしい。仕方なく一般エコノミーに並び、チェックインを済ませ、搭乗券を発券してもらいました。パスポートのみで、eチケット提示は不要でした。ちなみに、トルコは国際・国内空港問わず、空港に入ってすぐに手荷物検査場①があり、さらにチェックイン後の手荷物検査場②という、検査二重体制です(テロ対策)。
世界遺産のモンサンミッシェルは珍しく快晴。途中降機してよかった!
■8/2 ANA直行便でシャルルドゴール空港パリを出発
ドーナツ型の不思議な形のハイテク空港。中央に無人に透明エスカレーターが伸び、SF世界みたい。ANAカウンター発券はせず、そのままスマホQRを赤外線で読み、どんどん進み搭乗口へ。ただし、搭乗直前に自分の名前がアナウンスされ、カウンターでパスポート要提示。ウェブチェックインって簡単そうで難しい。
そんなこんなで、無事帰国。
まとめ
旅程に余裕があり、マイルを使うなら、ぜひ途中降機をお勧めします。楽しみが二倍に広がります。
ただし、二か国分の事前リサーチが必要になり、結構疲れます。自分の場合、ノープラン、ノー知識で見知らぬ海外に一人旅は不安なので、必ず物価やら文化やらを事前に調べて頭に入れておきます。
だから、二か国周遊は大変ですが、その分よい思い出もたくさん作れますよ。
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マイルで無料の「世界一周」に興味のある方は次の記事をどうぞ!



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