LCCの普及によって、東南アジアも国内並みの運賃で空の旅が可能になり、ユーザーとしては世界が近くなり嬉しい限りです。
特に、陸マイラーの自分は、アジア圏のフライトで貯めたマイルを使うのはマイル単価が低くなってしまうので、特典航空券でなくLCCを中心に通常の航空券を購入して旅しています。
東南アジア系LCCとしては、タイのエアアジア、スクートが有名ですが、近年運行開始したベトナム系LCC「ベトジェットエアー」がベトナム旅には格安で便利です。
2019年のGWのベトナム一人旅で、成田~ハノイ、ハノイ~ダナン、フエ~ホーチミン、ホーチミン~チェンマイ(タイ)と、国際線2本、国内線2本もベトジェットエアーを利用しました。
ただし、格安なものには落とし穴がある・・・
初ベトジェットの予約・搭乗の経験をふまえ、たくさんの注意点が見えてきたのでご紹介します。
まだ新しい航空会社なのでネットでも評価の記事は多くないので、利用する方はぜひ参考にしてください。
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ベトジェットエアーの概要
2007年に設立し、2011年12月25日から運行開始(本拠地:ベトナム・ハノイ)。
2018年11月8日より大阪/関西 - ハノイ間に就航し、都民の自分にとって念願の、東京/成田 - ハノイが2019年1月11日に就航しました。
なので、日本就航はまだ1年足らずの日本人にはあまりなじみのないLCCです。
日本の他、東南アジア各国、中国、韓国、台湾にも就航しています。

航空券比較サイトSkyscannerでベトナム行きを検索すると、格安運賃帯にはベトジェット便が出るわ出るわ。
今まではANAやベトナム航空などの割高なレガシーキャリア便ばかりでしたので、日本ベトナム直行便のLCC就航は嬉しいですね。
ベトジェット利用のメリット「運賃がとにかく安い!」
トップシーズンGWの運賃は各社軒並み高騰しており、東京~ベトナム直行便の片道が丁度良い出発時間で7・8万円以上からで平均10万円前後。
高騰の中でも、経由便や早朝・夜発の悪い出発時間だと5・6万円からでした。
そんな中で、今回利用したベトジェットの格安運賃は次のとおり。
【今回GWのベトジェットエアーの運賃(片道)】
≪国際便≫
①4/28(日) 9:30成田発-13:05ハノイ着⇒46,000円
④5/3 (金) 11:25ホーチミン発-13:30チェンマイ着⇒7,600円
※復路5/5はベトジェットやエアアジア直行便がとれなかったため、キャセイドラゴン(香港経由便)49,000円を利用
≪国内便≫
②4/29(月)15:10ハノイ発-16:30ダナン着 ⇒11,000円
③5/ 2(木) 14:50フエ発-16:15ホーチミン着⇒ 8,000円
午前のベストな時間の直行便で5万円をきる運賃とは、さすが懐に優しいLCCのなせる業。
だから、以下に挙げる注意点が多数あるけど格安LCCはやめられないです。

ベトナム国内便がさらに安い!1万円以下とは日本だと新幹線・特急電車並みです。GWのような日本の祝祭日は外国は関係なく国内便は値上がりしないのです。
これらの都市間を電車で移動すると鉄道事情の悪いベトナムでは半日以上かかる(バスも同じ)ので、お手軽にさくっと国内便を利用し時間と金を節約しましょう。
隣国(タイ・チェンマイ)への国際便(といっても2時間足らずで行けます)も格安なので、タイにも足を伸ばすのがおすすめ。
ベトジェット注意点①「予約便の変更はできるのか」
ベトジェット公式HPから予約したのですが、当初ベトナム国内の観光地と移動ルートをよく調べずに「有名なハノイに到着し、国内便でホーチミンに移動すればなんとかるだろう」と安易な考えで予約しました。
その後、いろいろネットで調べると、ベトナム観光の見所は大都市のハノイ(北部)やホーチミン(南部)ではなく、中部のダナン、フエ、ホイアンであることが判明。

そのため、縦に長い国土のベトナムを効率よく移動するには、北部⇒中部⇒南部の縦断ルートを組む必要があり、ハノイ発~ホーチミン着の予約便を取り消してハノイ発~ダナン着の便(ダナン~ホイアン~フエは陸移動)、フエ発~ホーチミン着の便の2便を追加予約する必要がありました。
しかし、一般的にLCCは便の変更ができず、取り消しても運賃は全くかえってこない場合がほとんどです。
ベトジェットでは変更や払い戻しができるか公式HPで確認するも、規定では回りくどい長文ではっきりせず・・・
ここの公式HPほんと使い勝手が悪いです。見ずらいし使いずらい。
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くまなく探し、やっと日本のコールセンター(ベトナム現地センターだと言葉の壁が)の電話番号を見つけダメ元でかけてみました。
上から物言いテンションの強気な日本人女性スタッフが「それはできません!」の一点張り。やっぱりだめか~。
諦めながら再度公式HPをいじっていると、「変更」メニューから変更手続きできることを発見!さっきのおばさんスタッフの言ってたこと違ってるし、まったく。
ということで、オンライン上で無事に便の変更ができましたが、下記のとおり「損失額」が若干出ました(汗)。
【便変更に伴う損失額】
①旧:ハノイ~ホーチミン便8,652円ー新:ハノイ~ダナン便8,300円=▲352円
②新8,300円ー旧料金のうち相殺可能額6,122円=▲2,178円(追加支払い)
■損失額合計①+②=▲2,530円
規定では「新料金が旧料金を下回る場合は変更不可」とありましたが、実際はできました(ただし差額▲352円は返金不可)。
決済済みの旧料金のうち2,530円が「変更手数料扱い」となり、残り2/3程度の6,122円が新料金の支払いに充当(相殺)されました。
なんだかグダグダな展開です。もっともユーザー本位の結果に終わったのでラッキーだったかも。
若干の損失額だけで便変更・新ルート予約できたのでよしとします。
ベトジェット注意点②「空港カウンターが遠い」
LCCなので羽田就航ではなく遠い成田空港からです。
成田空港ではFカウンターという、空港内の隅っこでしかも出入口を出たところにあり、気づかない人も少なくないはず。
エアアジアしかり、LCCって空港の隅っこなんですよね。
出入口横の細長いスペースに行列しますが、搭乗2時間以上前に着いたのでまだ行列はこのくらい。この後どんどん行列が膨らんでいきます。
レガシーキャリアと違い、ベトジェットもエアアジアもLCCって事前ウェブチェックインができない会社が多く不便ですね。
ベトジェット注意点③「機内持ち込み手荷物の重量制限と追加料金」
受託荷物1つ無料のレガシーキャリアと違い、LCCでは、受託は全て有料(高額)、機内持ち込み1つ無料(+身の回り品1つ無料)がほとんどです。
つまり、LCCは受託手荷物が1つ目から高額なため、無料になる「機内持ち込み手荷物」が重量制限にひっかからず無事にパスできるのかが、本当にLCCを格安に利用できるかの分かれ目なのです。
厳しい重量制限にひっかけて追加料金を徴収することで儲けを出しているんですね。
【アジア系LCCの「機内持ち込み手荷物」の重量制限】
・重量上限:7~10kg
※7kg(エアアジア、ベトジェットエアー等)
※10kg(スクート等)
これら「無料の機内持ち込み手荷物」の条件(重量やサイズ)は異なります。多くの会社の重量制限が「手荷物2つで〇kgまで(大+小(身の回り品))」という2つあわせた総重量制限となっています。ただし、「手荷物1つ〇Kgまで」とさらに条件がある場合があるので、各航空会社の公式サイトを参照してください。
無料はたった7kgまでなんて、スーツケースにちょっと荷物を詰めただけですぐオーバーなので、LCC利用の際は荷物パッキングが鍵になります。

ベトジェットエアーはどのカウンターでも超厳しい!!
「成田~ハノイ」「ハノイ~ダナン」「フエ~ホーチミン」「ホーチミン~タイ・チェンマイ」と、国際・国内便合わせて4本も利用しました。
成田空港では、エアアジアと同様にカウンタースタッフが優しくおまけしてくれました。キャリーバッグだけで6.8kg+リュック4kg=2つの手荷物合計10.8kgと規定の7kgをオーバーでしたが、カウンターの日本人お姉ちゃんがキャリーバッグだけを計測し、「これくらいならいいですよ」と機内持ち込み無料OKしてくれました。
一方、ベトナム国内3か所の空港カウンターでは、キャリーバッグとリュック両方を計測され、どこも重量をかなりオーバーとしてNGで、別の支払い窓口で受託手荷物料金を支払う羽目に・・・。
しかも、百グラム単位で結構うるさいです。
(写真:ホーチミン空港のベトジェット追加料金支払いカウンター。チェックインカウンターとは別の場所で離れています。カード払い可)
ただし、国内便一律1,500円、国際便3,000円(タイ行き)だったので、1,500×2空港=3,000円+3,000円=6,000円で済みました(事前オンライン申し込みならもう少し安い)。
追加の預け入れ料金が割安だったのが救いでした(エアアジアだと国際便追加料金は5千円もかかります)。


ベトジェット注意点④「遅延を繰り返す」
成田発の便が、結局「3回」も遅延になり、当初より出発・到着が3時間も遅れました・・・。
①9:30出発の予定だったので、2時間前には成田空港に到着するよう早起きしましたが、空港の案内板には「delayed 10:30」の表示が。
②まあ1時間くらいの遅延は我慢して待ちましたが、さらに「delayed 11:30」に。
③11:30に搭乗ゲートから乗り込み機内で待っていると、「管制塔から飛行機混雑のため出発命令がでない」とのアナウンスが。結局離陸したのがさらに1時間後の12:30。

天候不順でなく、機材トラブルでもないようで理由は不明。エアアジアでもこんなに遅延は繰り返しません。
ネットの評判だと「遅延は当たり前、ベトジェットのスタッフがやる気がなくダラダラだから」とかいろいろと。
これじゃ、お急ぎの方や経由便の乗継時間がタイトな方にはおすすめできませんね。
国内便でも時間変更が当たり前でした。その都度1日前くらいに時間変更のメールが英語とベトナム語で届き、eチケット添付メールなのでスマホで開きずらくて閉口しました。中には、丁寧にもベトジェット現地スタッフから電話で変更連絡があったことも(わからんちんでした)。
ベトジェット注意点⑤「搭乗ゲートから飛行機が遠い」
全てのベトジェット便で、飛行機が搭乗ゲートから直結でなく、シャトルバスに揺られて沖付けされている場所まで民族大移動。しかも滑走路の一番隅。
もっとも、経費節約のため他のLCCもほぼ同様です。
この点は自分的には許容範囲でした。
かえって、トラップ前で機体を間近に見られるしよかったかな。
ベトジェットは寛容?いい加減?なのか、自分が隊列から離れて尾翼の下、エンジンの真横に行って撮影してもなーんも注意されませんでした。
ちなみに機体はエアバス製でした。成田発の便はエアバス321、レガシーキャリアの国内便くらい小さくてびっくりしました。
ベトジェット注意点⑥「出入国カウンターで日本への帰国便証明を求められるかも」
自分の場合、ベトナム縦断周遊をホーチミンで終えた後、タイ(チェンマイ)へ越境し帰国しました。
ホーチミン空港のチェックインカウンターでチェンマイ行き便の出国手続きをした時のこと。
スタッフから「日本帰国便のチケットを提示してください」と要求されました。
他国ではこんなことなかったので荷物の奥の方にしまってあり、慌ててごそごそと「チェンマイ発~羽田着のキャセイドラゴンeチケット」を提示して事なきを得ました。
出入国の証明とは、社会主義国だから厳しいのでしょうか。ベトジェット限定ではなさそうです。
ネットによると、同じように第三国へ抜ける旅行者が困ったとの情報が。
ある人は「ベトナムからカンボジアにバスで越境しようと曖昧な計画だけしたので、現地でバス予約すればいいくらいの感覚で。でも、入国時のカウンターで提示できるカンボジアまでのバスチケットがなかったので、急遽ネットで割高のカンボジア行き航空便を予約し提示した」との記事もありました。
ベトナム出入国の際には気を付けてください。
ベトジェットの機内の様子
国際線ではLCC特有の最低限のサービス。機内サービスは全て有料(食事、ブランケット)、娯楽装置なし(映画サービスなど)、席の間のピッチ間隔狭し。
6時間越えの中長距離路線では、トイレが心配な自分のような方は通路側の予約がマスト。ベトジェットでは予約時に座席指定も有料追加でできます。たった150円なのでお得ですよ(エアアジアは席指定3千円以上も)。
通路側の席だと、通路に脚が延ばせます。
ちなみに座席は3×3配列で、前後に1つずつしかトイレがなくいつも混んでました。
【他のLCCと違う点】
■機内が蒸し暑い(他社のLCCはクーラーがんがん)。
■機内で持ち込み軽食食べても注意されない(日本人がパンを持ち込んでむしゃむしゃ食べても平気でした。エアアジアだと速攻で厳しく注意されます、LCCは食事有料なので)。
■機内前方のビジネスクラス(BOSS SEAT)がお粗末。エコノミーと同じシート・3×3配列で、エコノミー区間とカーテンで区切るだけ。国内線並みのひどさ。
まとめ
以上、搭乗経験者だから分かる「ベトジェットエアーの事態」をご紹介しました。
格安さは一番の魅力なので、下記の注意点を参考に賢く利用してみてください。
【ベトジェット注意点まとめ】
■予約便の変更
■空港カウンターが遠い
■機内持ち込み手荷物の重量制限と追加料金
■遅延を繰り返す
■搭乗ゲートから飛行機が遠い
■出入国カウンターで日本への帰国便証明を求められる
■機内設備(シート幅が狭い、各サービスが有料など)
【ベトナム一人旅記事はこちら】



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