今回から、世界一周で立ち寄った国の交通や観光について、初めて訪問する方に役立つノウハウを教えます。
今夏の世界一周一人旅では、5か国を訪問しました。1か国目がアラブ首長国連邦(ドバイ)に2泊3日という弾丸滞在でした。
自分の観光ポリシーとして、初めての国に慣れ・土地勘を持つために、タクシーを利用せず、「公共交通機関(電車等)や徒歩」で目的地まで行くことにしています。
そうすることで、街や人々の様子、自分がいる位置関係がすぐにマスターできるからです。
今回は、ドバイの主要交通「メトロ」の乗り方とチケットの購入方法等を、自分の経験でご説明します。
事前にネットでノウハウ検索したのですが、有名なドバイなのに分かりやすい情報が少なくて苦戦しました。
特に、メトロの乗車チケット(ノル・チケット、ノル・カード)は種類ごとに特徴があり、どのカードが自分に合っているかわかりずらいので、参考にしていただければ幸いです。
目次
1.ドバイ・メトロの概要2.ノル・チケットとノル・カードの概要
3.ノルチケット・ノルカードの買い方・チャージ方法(券売機)
4.自分はなぜ「ノル・シルバーカード」を購入したのか
5.ドバイ・メトロ・面白&ハプニング情報
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1.ドバイ・メトロの概要
まず、今回の自分の世界一周ルートをご紹介。
1か国目のドバイ(アラブ首長国連邦)は、2018.7.22-24までの2泊3日。
「YES!高須クリニック!」のCMで、高須院長が成金アラブ人とプライベートヘリコプターでドバイの摩天楼を飛行してますね。あんな石油の富で急発展の世界的大都市です、ドバイは。治安はアラブなのに日本と同じくらい安全。
鉄道網は超シンプル。主に2線が近代的な車両で頻繁に運行しているので、初めての観光客も路線図を見れば迷わず利用できます。
①レッドライン⇒幹線道路に沿って地上を走る線
②グリーンライン⇒主にドバイ・クリーク(運河)沿いを走る線
全自動無人運転の鉄道システムとして世界最長でギネスブックにも登録されており、車掌さんもいません。
このドバイメトロを建設したのは三菱重工業、三菱商事、大林組、鹿島、トルコYapi Merkezi Insaat Ve Sanayi A.S社の5社で、遠い異国の地にまで日本の技術が使われています。
移動するゾーン(Zone)の数で料金が変わる仕組みになっています。
全部で7つのゾーンに分かれており、メトロが通っているのは4つのゾーン(No1.2.5.6)、他のゾーンはバスのみ。
同じゾーン内を移動するのであれば1ゾーン分の運賃、隣のゾーンの駅へ行くなら2ゾーン分の運賃になります。
日本と違うのは、1回券扱いの「紙の切符」がないこと(全てカード)、目的駅ごとに料金が違うのではなく、ゾーンという大きな括りで料金が決まること。
日本と似ているのは、チャージ式のカードで改札を通ること、乗り方(改札タッチ~乗車下車~改札タッチ)。
パリやニューヨークでは下車後の改札タッチや切符回収がなく、ドイツでは乗車前の改札を通る必要がないなど、日本と大違いで戸惑いましたが、ドバイは似ているので分かりやすいです。
ただし、チケットとして「ノル・チケット、ノル・カード」と呼ばれる乗車カードが4種類あり、カード毎の特徴を押さえておく必要があるのと、自分はどのカードがお得か見極めること、チャージの方法など、複雑で分かりずらい点があるので要注意です。
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2.ノル・チケットとノル・カードの概要
ドバイ・メトロやバス、トラムなど、ドバイ道路交通局(RTA)管轄の交通機関で利用できる4種類のIC乗車券のことです。
カードの購入・チャージ場所は、自動券売機か係員のいる窓口です(ただし、カードによっては窓口のみの対応もあるので注意)。
※Dh1(ディルハム)=約30円で計算(2018)
1回券のノル・チケット
■①「レッド・チケット」(2種類あり)
(1)1回券
⇒初回はチケット発行料金(Dh2)+乗車料金を支払い、次回以降は乗車料金をその都度チャージしていくシステムです。チャージして再利用できるのは10回までです。
⇒つまり、日本の紙の切符と同じ感覚ですが、切符を買うのではなく、改札を通る前に、その都度利用ゾーン料金をチャージするという、面倒なシステム。
⇒乗車料金(レギュラークラス):1ゾーン(4Dh)、2ゾーン(6Dh)、2ゾーン以上(8.5dh)※ゴールドクラスは2倍の料金
次回以降チャージできるのは初めにチャージしたゾーン分のみ。初めに1ゾーン分のチャージをしたら次回も1ゾーン分のチャージしかできません。もし2ゾーン移動したいのであれば2ゾーン分のチケットを別に買わなければいけません。このルール、結構ネックです(汗)。
1回券といっても、他のカードと同じICカードなので、捨てずに10回まで再利用しましょう。
(2)1日乗り放題チケット
⇒16Dh:約480円(発行料2+運賃14)、ゾーン関係なく乗り放題。
チャージ式のノル・カード(PASMOやSUICAと同じ感覚)
■②「シルバー・カード」
⇒最初はDh25(約750円)でカードを発行します(Dh19が運賃、Dh6が発行料)。残高がなくなったらDh5~最高でDh5,000までチャージできます。運賃もノル・レッドカードより少し安くなります。
⇒乗車料金(レギュラークラスのみ):1ゾーン(3Dh)、2ゾーン(5Dh)、2ゾーン以上(7.5dh)
■③「ゴールド・カード」
⇒発行料金はシルバーと同じDh25ですが、乗車料金は2倍です(ゴールドクラスの優先車両に乗車できます)
■④「パーソナル・カード」
⇒ドバイ在住者用で旅行者は発行できません。
説明サイトやガイドブックには、「観光客はレッドチケットがいい」とか、「いやいや、シルバーカードの方が使い勝手がいい」とか、意見が分かれているようです。
結局、自分は「ノル・シルバーカード」を購入しました。その理由をご説明します…。
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3.ノルチケット・ノルカードの買い方・チャージ方法(券売機)
初めての利用で、券売機での発行は操作が心配だったので、係員のいる窓口で「シルバーカード」を購入しました。
ドバイの駅構内は、駅員さんがほとんどおらず、窓口には質問したい外国人を含め、いつも行列ができていました。
大きな駅には券売機がたくさんありますが、小さな駅には少ないので、まごついていると後ろの人の迷惑になり、かなり焦ります。
滞在中に何度かメトロを利用し、残高が少なくなったので、券売機でチャージしました。
【券売機のチャージ方法】
券売機には、いくつも投入口があって、どこにノルカードを差し込めばよいか最初戸惑いましたが、右下でした。
トップ画面を触ってスタート
何だかよくわからない画面がでるので、もう一度触ってスタート
ノルカードを差し込んでスタンバイ
画面左下の「CARD TOP UP」がチャージという意味なのでタッチ
チャージ金額を選択。自分は一番安い「5dh」をタッチ
金額を確認し、支払い方法(現金かカード払いか)を選択。
現金(コインか紙幣か)を投入
左上にチャージ後の残高表示、画面下のボタンで「レシート発行」、すぐに消えてしまうので急いでタッチ。
改札をタッチすると、カード残高が表示されるのでチェック。
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4.自分はなぜ「ノル・シルバーカード」を購入したのか
今回のドバイ滞在で、自分がメトロを利用したのは、1日目(空港~ホテル)、2日目(ホテル~観光地~ホテル)でした。
初日の夜10時過ぎにやっと入国審査を終え、空港最寄り駅(レッドラインAirport Terminal1)の窓口で自分に一番最適なノルカードを購入することに。
一番格安でお得なのは「ノルレッドチケットの1日乗り放題券(約480円)」だと思っていました。なにせ弾丸旅行なので、翌日2日目夜10時までメトロが利用できれば済むからです。
なので、念のため窓口で「乗り放題の1日とは今日のたった今の夜10時から翌日夜10時まで使えるのか?」と尋ねると、「今日(初日)の夜12時までしか使えない」と…。
なに~あと2時間しか乗り放題券だと使えないのか~。リスボンの乗り放題券と違い、ドバイでは日にちの切り替えぴったりでリセットされるようです。
となると、当初の目論見がはずれ、「シルバー・カード(750円)」を購入することに。
なぜ「レッドチケット1回券」を購入しなかったのかというと、空港の最寄り駅からホテル最寄り駅(Al Rigga)まで、同じゾーン5内ということで1ゾーン利用扱い(4dh120円)の運賃チャージしかできず、この初回運賃チャージが基になり、次回以降も1ゾーン運賃しかチャージできないからです。
翌日2日目は精力的に観光する予定で、違うゾーンをまたいでメトロに乗る予定だったので(2ゾーン扱い)、1ゾーンしかチャージできないレッドチケットは無駄になるからです。
ただし、25dhで購入したシルバーカードも、発行料金6Dhを差し引くと、実際は19dh分(540円)しか運賃チャージに利用できないので、初回1回の発行チャージで2日目の観光地が回れるか、事前に計算が必要でした。
その計算結果が次のとおり
【1日目】
■①空港~②ホテル最寄り駅:1ゾーン3dh
【2日目】
■②ホテル~(レッド線)~③乗り換え~(グリーン線)④下車~(オールドタウン徒歩観光):1ゾーン3dh
■⑤乗車~(グリーン線)⑥乗り換え~(レッド線)⑦下車~(ドバイモール観光):1ゾーン3dh
■⑦乗車~(レッド線)②ホテル:2ゾーン5dh
運賃支出合計:14dh(420円)
最初の19dhより5dh余らせて終えることができましたが、この記事でチャージ券売機画像を撮影したかったのと、行程が順調にいかなかった時、かつかつなチャージ金額では心配だったので、チャージ最低金額5dhを追加チャージしてみました。
なにも、面倒なゾーンと料金計算を予めしなくても、改札で残高不足ならその時にチャージすれば・・・とも思いましたが、日本と違い、改札を出るとき残高不足の際は、改札内にチャージ精算機が見当たらず、どうするのかわからなかったので。
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5.ドバイ・メトロ・面白&ハプニング情報
駅のデザインがユニーク
レッドラインの駅はどこも写真のような近代的な外観で統一されています。そして駅構内は地球、空気、水、火と4つのイメージに分けられてデザインされています。
ホテルの最寄りのアル・リッガ駅舎。繁華街に溶け込んでいました。一見「駅」だとは分かりません。他のレッドラインの駅もこのような洗練されたデザインです。
レッド・グリーンラインの乗換駅・ブルジュマン駅構内にこんな不思議な装飾が。海洋をイメージしているそうです。
一方、グリーンラインは外観・内装共にオールドドバイのイメージで落ち着いた雰囲気の駅が多いです。
ちなみに、駅構内には、路線図が掲示されていて分かりやすいです。
ニューヨークやパリの地下鉄では車内にも駅構内にも全てを網羅した路線図があまり掲示されておらず、分かりにくかったです。
改札を入り、上下線のエスカレーターを下がる手前に、どの駅にもこんな路線図ボードが。終点駅や全駅の表示があるので、ホームを間違えなくて済みます。
車内の上にも路線図が。さすがに日本のように電光掲示板にはなっていませんでしたが。
必ず優先車両を完備
ドバイメトロは5両編成ですが、そのうち端の1車両はゴールドクラス(Gold Class:料金2倍)、もう1車両は女性子供専用車両(Women&Children Cabin)、他の3車両が通常車両(標識なし)となっています。
ホームの乗り口や車内にも目印の標識などあるので間違わないようにしましょう。
ホームの表示の位置関係でしょうか。同じ車両の中でも「通常席コーナー」「女性優先席コーナー」に分かれている便もありました。
女性車両はすいてます。通常車両は女性も乗れますが男性ばかりで混んでいることが多かったです。イスラムの教えが徹底されていますね。
ちなみに、ドバイ国際空港の入国手続きを終えて、空港最寄り駅に出るには、無料のシャトルトレインに乗ります(すぐ着く)。
最初分からず、有料のドバイメトロなのかと勘違いしていました。
シャトルトレインも、ドバイメトロも、全ての駅のホームとレールの間に間仕切り自動扉が設置されていて、近代的でした。
乗車ルールが厳しく、罰則あり
間違って優先車両に乗ったり、車内で飲食したりすると、100dh(約3千円)の罰金が科せられます。車内にも禁止マークが。
ドバイは暑いので、常にボトルウォーターを持ち歩いているのですが、車内でうっかり水を飲んでしまい、周囲のアラブ人の白い目が痛かった(幸いつかまらなかったけど)。
その他、居眠り禁止や、車内に持ち込めるバッグの大きさと数も決められています。
毎日「テクニカル・トラブル」でメトロが止まる
訪問2日目は、メトロを最大限活用し多くの観光地を回り、2時にホテルに帰り、砂漠オプションツアーの迎えがくる予定でした。もう時間との勝負。
午前中の「オールドドバイ観光」は順調だったのですが、グリーンからレッドラインに乗り換え、バージカリファ/ドバイモール駅を目指そうとパールジュマン駅のエスカレータを下ろうとした時に、トラブル発生!
駅員が駅構内で大声で何か言っていて、乗客のアラブ人たちが周囲に集まりごった返し、ホームへのエスカレータ手前に「進入禁止」のテープが張られてしまったのです。
英語での早口のアナウンスで、英語力なしの自分は理解できなかったのですが、乗客の様子からレッドラインがストップしてしまったと分かりました。
駅員(といっても、日本みたいな男性正社員でなく、東南アジア系女性で非常勤っぽい駅員ばかり。人数も少ない)に聞いてみると「テクニカルプロブレム」というそっけない返答。
「毎日起こるのか、今日だけか?」聞いてみると、「毎日起こる、でも、じきに治ると思う」とのこと(後にホテルスタッフも同じこと言っていました)。
なに~。日本の大手ゼネコンの技術が投入されているメトロが毎日止まり、ダイヤが乱れるとは…。近代的なドバイといっても、なんとお粗末な。
駅構内で小一時間待ってみましたが下り線は改善の兆しなく、アラブ人でごった返す始末。
仕方なく、ドバイモール観光はあきらめ、ダイヤが乱れてもかろうじて動いている激混みのグリーンラインに乗ってホテルに帰ることに。
弾丸旅行の場合、交通機関の麻痺が観光に大きく影響します…
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