今夏のANAマイルを使った「世界一周ビジネスクラスの旅」では、その恩恵を最も感じた一つが空港の「優先レーン」。
ただし、「ビジネスクラスならどの国でも優先レーンが使える」と思ったら大間違い!
その実態をレポートします。
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ファースト・ビジネスクラス、上級会員のメリット「優先レーン」とは?
優先レーン利用対象者は次の2種類あります。
■上級シート・上級会員対象の混雑回避のショートカットレーン
■障害者、妊婦、高齢者などが使える優先レーン
今回の自分のビジネスクラスの旅では、混んでいる一般レーンを横目に、ショートカットレーンをすいすい利用できたのが大きなメリットでした。
さらに、国際線空港の場合、優先レーンとして利用可能なシーンは次の4つ。
①航空会社チェックインカウンターの優先レーン
②保安検査場の優先レーン
③出入国審査の優先レーン
④搭乗口の優先レーン
この4つのシーンの優先レーンの実態が空港により微妙に違い、ややこしいのです。
空港によって優先レーンがあったりなかったり、使えたり使えなかったり・・・
ちなみに、上記②保安検査場③出入国審査の優先レーンを「ファースト・トラック(Fast Track)」と呼んだりします。
※羽田空港では、ファーストトラックではなく「プライオリティレーン」という名称が使用されていました。海外空港ではほぼ「ファーストトラック」という名称です。
航空会社の「優先サービス(優先レーン含む)」利用対象者一覧
上級シートや上級会員は、優先レーン利用以外に、次の優先サービスが受けられます。
■手荷物優先受け取り:チェックインで手荷物預け入れの際に「優先タグ」をつけてもらい、到着後のバゲージクレイムでターンテーブルに早く荷物が出てくるサービス。
■航空会社ラウンジの利用
※その他、航空券のアップグレードサービス等もあります。
これらの「優先サービス」を本人以外の「同伴者」も利用できるかが問題です。自分のように一人旅の場合は気にもしませんが、家族や友人との旅行の場合に同伴者を置いて自分だけ利用するのも気が引けます。
そこで今回、ANAの場合の利用できる範囲を下記のとおり一覧にしてみました。
ANAの場合、上級会員のメリットを受けられるのは、プラチナステータスと同様の「スーパーフライヤーズカード(SFC)」保持者が多いと思うので、ビジネスクラスとSFCという区分で「同伴者」も含めた一覧にしてみました。
ちなみに、SFCの場合、「家族会員」(有料)の場合の区分も設けました。
ビジネスクラス同伴者は同じ航空会社エコノミー、SFC(本人、家族、同伴者全て)はエコノミーの場合としました。
優先サービス | ビジネスC本人 | ビジネス同伴者 | SFC本人 | SFC家族会員 | SFC同伴者 |
優先チェックイン | 〇 | △※1 | 〇 | 〇 | △※1 |
手荷物優先受け取り | 〇 | △※2 | 〇 | 〇 | △※2 |
優先保安検査 | △※3 | × | 〇 | 〇 | △※4 |
航空会社ラウンジ | 〇 | × | 〇 | 〇 | 〇※5 |
優先出入国審査 | 〇 | ?※6 | 〇 | 〇 | ?※6 |
優先搭乗 | 〇 | △※7 | 〇 | 〇 | △※7 |
※1・2)規定上はエコノミー同伴者は優先チェックインカウンターや手荷物優先受け取りの利用はできませんが、実際はカウンターのスタッフの判断次第のようです。ANAダイヤモンド会員の場合は同伴者1名OK。
※3)羽田国際空港の優先保安検査レーンは、ビジネスクラスは利用できません。
※4)SFC同伴者の優先保安検査は、国内線の場合は×ですが、国際線の場合、スターアライアンスゴールドレーン(成田)は×、プライオリティレーン(成田・羽田)は〇というように複雑。
※5)SFC同伴者1名のみラウンジ利用可能
※6)出入国審査のファーストトラックは、同伴者でも可能か不明(どなたか情報を)。「優先パス」は機内でビジネス搭乗者全員に配布される場合と、ステイタスカードをCAに見せて個人的にもらう場合と、優先チェックインカウンターで渡される場合と、様々なようです。
※7)規定上はエコノミー同伴者は優先搭乗の利用はできませんが、実際は搭乗ゲートのスタッフの判断次第のようです。
前置きが長くなりましたが、いよいよ優先レーンの具体的な説明をしていきます。
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優先レーン①「航空会社チェックインカウンター」
マイルを使った大手レガシーキャリアのチェックインカウンターでは、エコノミーレーンもさほど激混みしたことがないので、便利ではありますが自分的にはあまりメリットは感じません。空港にもよると思いますが。
仕事柄、お盆等のトップシーズンを外して旅ができるのも関係するかも。
しいて言えば、やや列にならんでるエコノミーレーンを横目にすいーっと優越感くらいかな。
激混みしているのは「LCC」。有人カウンターが少ない場合が多いので、長蛇の列。あるいはなぜか中国系航空会社カウンターも激混み
LCCは残念ながらANAマイルに関係ないですね。
航空会社や空港規模により、①優先レーンと優先専用カウンターがある場合、②優先レーンのみでカウンターは一般カウンターの場合、③優先レーンもなく一般に並ぶ場合があります。
新興国では②③が多ですね(カサブランカ空港のモロッコ王国空港レーンは③だったので長蛇の列に並びました)。
優先レーン②「保安検査場」
保安検査場に優先レーン自体がない国際空港もかなりあり(ニューヨークJFK空港など)、その場合はエコノミー利用客と同じレーンに並びました(汗)
また、優先レーンがあっても、開放されていない場合も多々ありました。
羽田空港では、さらにややこしい「違い」がありました。
羽田空港の保安検査場「優先レーン」は変です
羽田空港出発ターミナルの保安検査場では、ビジネスクラスやプレミアムエコノミーの利用客はなんと利用できないのです!
利用できるのは、ファーストクラスや航空会社上級会員に限られます。
優先レーンのある他国の国際空港や、成田空港、関西空港ではOKなのに、なぜか羽田だけNGです。
【羽田空港の保安検査場優先レーンの利用条件】
【営業時間】
6:30~11:00 / 21:00~24:00
【主な利用対象】
ANA:ファーストクラス、ダイヤモンド、プラチナ、SFC
JAL:ファーストクラス、ダイヤモンド、サファイア、JGC
※その他の各国航空会社上級会員やスターアライアンスゴールド会員など
【搭乗券の提示】
上級会員と同じ航空会社を利用する場合のみ可能
今回の旅の出発で、てっきりビジネスは利用できると思い、赤じゅうたんの優先レーンに進もうとしました。
すると、入り口のお姉さんに呼び止められ、悠々と「ビジネスチケット」を見せると、「利用できません」と言われ、赤っ恥をかきました(汗)
入り口の「利用対象ボード」を見てくださいと言われ見ると、上級会員のマークばかり小さく羅列されていて、こんなの誰がみるかよ~って感じ。
ま、一般の保安検査場もすいていたので気持ちを切り替えましたが・・・。
なぜ羽田だけNGなのか?理由はネット上では「羽田のキャパの問題」とかなんとか…真相はいかに?
これは海外と比べると紛らわしい恥ずかしい現状なので、早く改善してほしいです。
優先レーン③「出入国審査」
出入国審査の大行列を横目にすいすい進める「ファーストトラック」は、ビジネスクラスの最大限の恩恵だな~と感じました。
特に、長旅で疲労困憊し、早く現地の市中やホテルに到着したい焦りの中で待つ「入国審査」の際のメリットは大きいです。
利用者が分散する「出国審査」より、降機した同時間の航空便の乗客が短時間に一気に押し寄せる「入国審査」の方が、混み具合が半端ないです。
ただし、この「出入国審査の優先レーン」が今回の旅行では、一番国や空港によって違いが大きかったです。
ファーストトラックの利用券の有無
航空会社や、同じ会社でも便によって、ファーストトラック利用券を機内でくれるかくれないかの違いがありました。
例えば、タイ国際航空の場合、羽田~バンコクの便では配布されませんでしが、バンコク~ドバイの便では配布されました。
エジプト航空の場合も、ドバイ~カイロの便では配布されましたが、カイロ~カサブランカの便では配布されませんでした。
ファーストトラック利用者の証明方法と優先レーンへのアクセス
空港により、出入国審査場にファーストトラック対象者(ファースト、ビジネス、プレエコ、上級会員)優先サービスがある場合とない場合があります。
その場合、次の状況の違いにより、受けられる優先サービスが違います。
■①優先レーンがある空港
⇒他のエコノミーレーンに並ぶ必要はなく、係員にファーストトラック利用券か搭乗券を提示し、すいている優先レーンから審査を受けられる。
■②優先レーンがなく、レーン整理係員の判断に委ねられる空港
⇒レーンの仕切りテープを開けて近道させてくれ、エコノミーの一般レーンの大行列の先頭に並ばせてくれる、または国籍優先レーン(例:欧州の場合はEU加盟国レーン)がすいていれば並ばせてくれる、などの優先サービス
■③優先レーンがなく、係員が滞在していない場合や、係員に交渉しても一般に並べといわれる空港
⇒激混みの一般エコノミーレーンに並ぶしかない。
上記「ファーストトラック利用券」を持っていれば、審査場のレーン係員に見せれば②の場合でも、係員に提示して優先サービスを受けられます。
ファーストトラック利用券が配布されない場合は、搭乗券の半券を係員に提示すれば優先サービスが利用できます(カイロから同乗し隣の席になったアラブ人から「半券は絶対に捨てちゃだめ」と教えてもらいました)。
【各国空港の優先レーンの現状】
優先レーンがあった空港としては、カサブランカ空港(モロッコ)が面白かったです。
多くの空港ではエコノミーレーンと並んでテープで区切られただけの優先レーンがあるのですが、ここは壁で仕切られていて、激混みの一般レーンからは見えない造りになっていて、審査カウンターも独立していました。
リスボン空港(ポルトガル)では、テープで仕切られた優先レーンがあったのですが、審査カウンターが閉鎖されており、一般レーンに並ぶ羽目に(昼間の時間だったのにこのレーンは意味あるのかな?)
多くの空港では、降機し空港に入ると、「ファーストトラック」という案内表示が次々にあるので、それに従って進むだけです。(モロッコは床に矢印で書いてありました)。
ニューヨーク(JFK空港)の厳しい入国審査場には、優先レーンはなく、「ESTA初めての方」「ESTA二度目以降の方」「VISA保有者」のレーンしかなく、激混みでした。先進国なのに不思議ですね。
羽田空港の出入国審査場にも優先レーンがありません。
今まで「自国民レーン」ですいすい審査を終えて出るので、羽田では気にも留めなかったので知りませんでした。海外の方にとっては羽田は使いづらいでしょうね。
優先レーン④「搭乗口」
自分が利用した全ての国際空港の搭乗口に、優先レーンがあり、搭乗開始アナウンスでは体が不自由な方、ファーストクラスや最上級会員の次に呼ばれるので、行列のエコノミー客を横目にちょっと優越感でした。
中には、搭乗券をリーダーにかざす音が特別な音だったり、搭乗券をチェックするクルーから名前を呼ばれたり、特別なサービスを楽しむ方もおられるとか…(自分はこのささいなサービスには全く興味ありませんでした)
【ポルトガル】
搭乗待合スペースが狭かったせいで、優先レーンの前にもエコノミー客がごった返し、優先レーンに並ぶどころではありませんでした。
なので、仕方なくエコノミーの列に並んで待っていると、優先レーン搭乗開始のアナウンスがあったので、人込みをかき分け急いで優先レーンへ。
すると、自分の後ろに並んでいたエコノミーの客(混血系の人々)も一緒に動き出し、大勢が優先レーンへ。
クルーが自分の後ろの混血系エコノミーのファミリーに事情を説明するも、最終的に優先レーンでの搭乗を許してしまいました。
最初からエコノミーレーンに並んで待っている人々はどんな目で見ていたのでしょうか?
【ドイツ】
通常は優先レーンもエコノミーレーンも同じ階で入り口のみ隣同士分かれている程度なのですが、フランクフルト空港では、優先レーンはゴージャスなエスカレーターで2階につながっていて、さらに優越感を味わうことができました(笑)。
まとめ
上級シート、上級会員が利用できる「優先レーン(ファーストトラック)」といっても、空港により一概に決まりはないようです。
優先レーンの有無や違いがあるということを、頭の片隅に入れておくと、様々な国の空港を上級扱いで利用する際、戸惑わなくてすむかもしれません。
もし、優先レーンが使える空港の場合、最大限に利用して恩恵を受けるのがいいですね。
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