マラケッシュから出発する「サハラ砂漠・現地グループツアー」の第一弾。
サハラ砂漠をハイライトにするモロッコ周遊の計画の仕方は、前記事でご説明しました。

旅行プランの組み方は人さまざまですが、自分は割安で一番効率がよくて多くの観光地が回れる「現地旅行会社のグループツアー」に参加してみました。
その中でも2泊3日ツアー(宿代、朝夕食代込み)で1万円という激安だった「sabaku tour」に2018/7/25-27に一人参加。
今回から、そのツアーレポートをお送りします。
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第一日目:7/25(水)の旅程
今回の5泊6日のモロッコ周遊ルートはこちら(ぐるっと左回りです)

下記旅程表の赤字部分が今回ご紹介する砂漠ツアー1日目のプランです。
【モロッコ周遊の旅程表2018/7/24-29(2泊3日の砂漠ツアー含む)】
【1日目】※個人
■ONCF鉄道で移動(カサブランカ空港からマラケッシュ)
■(夜)マラケッシュ着・観光・泊【2日目】※ツアーのミニバス利用
■(朝)マラケッシュ発
■アイト・ベン・ハッドゥ観光
■ダデス峡谷泊
【3日目】※ツアーのミニバス利用
■ティネリールのオアシス散策
■トドラ峡谷観光
■(夕方)メルズーガのホテル着(砂漠への身支度)
■(夕方)ホテル裏からシェビ砂漠ラクダツアー発(1.5時間)
■砂漠のベルベル人テント泊(ベルベル人の演奏や踊り)
【4日目】※ツアーのミニバス利用(オプション)
■(早朝)砂漠の日の出を見て、ラクダか4WD車でホテルへ戻る
■(朝)メルズーガ発⇒(夕方)フェズ着・泊 ※ここから個人手配
【5日目】※個人
■終日フェズ観光・泊
【6日目】※個人
■ONCF鉄道で移動(フェズからカサブランカ空港)
マラケッシュからワルザザードまでは200kmも移動。しかも途中アトラス山脈越え。地図でみるとこちら。

それでは、砂漠ツアーがどのように進んでいったか、実際に時間を追ってみていきましょう。
7:00 マラケッシュから出発!今回のツアー参加者の顔ぶれとツアー車について
昨日1日かけて、ドバイからの飛行機と鉄道の長旅を終えてマラケッシュにやっとのことで夜に到着。
しかし、リアド(宿)の場所に迷い、場所の変更を余儀なくされるアクシデントで、疲労困憊の昨日でした。

朝7時に簡単な朝食を済ませたころに、sabaku tourのスタッフ兄やんがバイクでやってきました。
すぐさまツアー代金を現金で950DH(約1万2千円)を兄やんに支払うので、前日に現金をキャッシングしておき、つり銭のないよう準備しておいた方がよいです。
自分は飛行機機内持ち込めるキャリーバッグだったのですが、バイクの前にひょいと乗せ、自分は後ろに乗り、マラケッシュの迷路のような路地をかっ飛ばしました。昨日の夜のお祭り騒ぎの混雑は嘘みたいに静か。
「砂漠ツアーに参加したいけど、スーツケースなど大きな荷物はどうするの?」と心配のあなた。
大丈夫です。移動中や砂漠に出かけている間はミニバスのトランクに預けられ、一緒に移動できます。
5分もしないうちにフナ広場に到着。バイクを降りると誰も乗っていないワゴン車が到着。「えーツアーは自分ひとり?」
これが勘違いで、旧市街の外の大通りまで10分足らずの移動だけでした。
大通り沿いには、今回のsabaku tour(正確にはMIFTAH TOUR)のワゴン車(モロッコではミニバスというらしい)がずらっと停車してました。
その中の1台に「あなたはここだよ」と案内され、中には多くのツアー客がすでに乗り込んでいました。
今回の多国籍なツアー同乗者は次のとおり。
【合計15名定員一杯のメンバー構成】
≪複数で参加≫
・若夫婦(日本人)
・いちゃいちゃカップル(デンマーク)
・いちゃいちゃカップル(ポルトガル)
・母と青年息子(オランダ)
≪おひとり様で参加≫
・自分(日本人)
・アスリート青年男性(日本人)
・女性(コロンビア)
・女性(コロンビア)
・カメラ好きおじさん(ドイツ)
・おじいさん(ベルギー)
・眼鏡おじさん(タイ)
年齢、国籍さまざまでおもしろい。自分と同様に一人参加が半数を占め、少々安心(自分だけだったら完全に浮くなと)
自分以外の参加者は、みな英語ぺらぺらでした(汗)
ご覧のように、自分以外に日本人3名もいたのですが、1日目の後半になるまでアジアの他の国の人かと思ってました。
運転手はモロッコ人のがっちりしたおじさん。不愛想でジョークもほぼ言わない人だったのですが、旅の終盤になると、モロッコ人に珍しく誠実な人だと分かりました。
添乗ガイドはおらず、この運転手が英語で簡単な行程の説明をするくらいでした。
なので、一緒に乗り込んでも皆で自己紹介をし合うことがなかったので、旅の終盤でお互いなんとなく知り合うまで、みんなの国籍は分かりませんでした。
全員乗り込むと、運転手が「英語の説明になりますが、みなさん大丈夫?」と皆にたずね、ここぞとばかりに自分は「I can't speak English!」と正直に告げました。
すると運転手が「じゃ、何語ができるんだい?」と聞き、「Only Japanese!」と答えると、運転手がすかさず何かを英語でいい、全員に爆笑されました。
自分の英語力ではその時理解できませんでしたが、後日日本人の方に聞くと「運転手に『じゃ、ベルベル語(モロッコの先住民族語)は?』とつっこまれたんだよ。あの時の爆笑でみんなの雰囲気が和んでよかったんだ」と教えてくれました。
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この時、アジア人夫婦の若旦那が運転手に英語で「日本語ができるから、彼のために通訳しますよ」と英語で申し出てくれました。ちょっと安心。ただし、この時は中国人だと思っていたこの夫婦が日本人だとはつゆ知らず…
結局、このバスメンバーはつるんで大騒ぎする人がおらず、比較的静かだったんで、一人参加の自分としてはよかったかなと。
ミニバス(といってもワゴン)の全15席の配置はだいたいこんな感じ

指定席でないので、席替えは自由ですが、満席の当初は誰かが動かないと替えられないので、ほぼ同じ席でした(早い者勝ち)。
中でも、前ドア付近の一人席が足が延ばせるベスト席なのですが、日本人アスリート君が最初から陣取っていてなかなかなるなあ。
シートは乗り心地まずまずなのですが、前席との間隔(ピッチ)が広くないので長旅は楽じゃない。体の大きい白人男性はさらに大変そうでした。ま。格安のグループツアーだから仕方ない。
エアコンはもちろん装備ですが、なにせ灼熱の荒野を走りっぱなしなのでラジエータがオーバーヒートし、途中から全く冷風がでないこともしばしば。そんな時は、天井の窓を参加者が開け、ひたすら蒸し暑い車内で耐えるのみ。
これも新興国の旅の醍醐味、後になるとよい思い出です。
そんなこんなで、マラケッシュを8時過ぎに出発。
9:00最初の休憩の展望カフェ
マラケッシュの街を出ると、だんだん土地の起伏が激しくなります。
まだ、緑が多くみられる地域。アトラス山脈を境に、西(マラケッシュ側)は旧市街と緑地、東はカスバと砂漠、同じ国と思えないくらい変化に富んでいます。
高台のカフェに到着。自分は頻尿のため、この類の長いツアーはトイレが一番の心配事。休憩はありがたい。
といっても、ツアー中は2~3時間はトイレに行きたい感覚がありませんでした。暑すぎて体内から水分が蒸発してたのかも。
カフェのテラスからの眺望。まだ緑地が多い。
飲み物や軽食も売っているので、水くらいは購入しておいた方がよいです。
そして、休憩を終えて走り出すと、緑は消え、このような土むき出しの乾いた標高3~4千メートルにもなるアトラス山脈越えが待ち構えていたのです。
遥か見渡せる展望スポットでまた下車。パチリ。雄大な光景、あー異国に来たんだって実感。思ったほど寒くなく、むしろ暑いまま。
くねくね道をひたすら進むので、車酔いしやすい自分はかなり心配でした。
でも、外の景色に見入っていたのか、暑さに参っていたのか、2泊3日のツアー中は不思議と車酔いしませんでした。日光のいろは坂の方がよっぽど酔う(笑)
写真を撮っていると、さっき助けてくれたアジア人夫婦がなんと日本語で話しかけてきました。なーんだ、日本人だったのか。嬉しい驚き。
12:00ワルザザード⇒アイト・ベン・ハッドに到着
サハラ砂漠・カスバ街道の入り口となる都市、ワルザザード(Quarzazate)から少し戻ると、世界文化遺産「アイト・ベン・ハッドゥ(Ait Ben Haddou)」の集落に到着。
7世紀にアラブ人がモロッコ北部を征服すると、先住民族ベルベル人はその支配から逃れるため、アトラス山脈を越え、オアシスにカスバ(要塞)を築いて移り住んだという。
アトラスの南には数々のカスバが残るが、その中でもアイト・ベン・ハッドは、最も美しいクサル(カスバ化した村)といわれています。
現在でもベルベル人5~6世帯の家族が暮らしています。
有名なハリウッド映画(アラビアのロレンス、ナイルの宝石、ハムナプトラ等)もここで撮影されました。
待機していたベルベル人ガイドに引率され、カスバの路地を進みます。
川をはさんだ対岸のカフェのテラスから、アイト・ベン・ハッドの全景を眺めます。
じゃ~ん!!!
丘の斜面に食い込むように建てられた土の家々。まさにアラブ人侵攻を逃れたベルベル人の要塞(カスバ)ですね。
トルコ旅行の時もカッパドキアで、イスラム教の弾圧を逃れたキリスト教徒が奇岩群の斜面をほって作られた遺跡や洞窟ホテルを見ましたが、似てます。
迫害・弾圧を逃れてきた人々はどんな思いでここに身を寄せたのでしょう。
雨期には水が流れている川も干上がり、歩いて渡れます。雨期は川の飛び石を渡る観光客の手を引く、チップめあての少年が増えるそう。
川を渡るとアイト・ベン・ハッドの入り口に到着。ツアー代金には入場料が含まれていないので、ベルベル人ガイドに25DH(約300円)を支払います(チップも含まれているようです)。
ベルベル人の民芸品が鮮やか。でも、時間がないので先を急ぎます。
ここでガイドは待機し、ここから上は各自でのぼります(片道10分程度)
自分は水ボトルを持参していたので、灼熱の日差しの中でも水分補給ができましたが、ツアー参加者の白人たちはタンクトップに水なし帽子なしで全然平気そう。
アジア人が軟弱なのか? 痛いくらいの日差しなので、予め日焼け止めを塗り、サングラス&帽子をつけて方がいいですよ。
要塞の家は近くで見るとこんな感じ。土壁だから暑くないのでしょうね。
家の横の路地を進むと、石が積まれただけのジグザグな道を転ばないように上がります。
やっと頂上の展望広場。あたまくらくら。昔のベルベル人はここから敵の侵入を警戒していたんでしょうね。
「15分で戻るように」とのガイドの約束どおり、急ぎ足で降り、ガイドの引率で出口を目指す。出口近くに唯一売店が。ここで水を購入(ただし500mlで10HDも。相場は4DHなのに)。
帰路は河原を渡らず、橋を渡ります。
そして、ガイドがベルベルスカーフ(ターバン)の話をしだします。橋向こうのベルベル人が経営するスカーフの店に立ち寄ります。
この後のサハラ砂漠で砂除けに巻くためのスカーフが欲しかったんで、ここでぜひ買いたいと説明を聞きます。
40DHの安いスカーフに水を一滴たらすとすぐに色落ちが…でも80DHのものならほら色落ちしない、という営業トークと実演につられて、まんまと80DHの水色スカーフをお買い上げ!でも、ここで買っておいてよかった(この後は買う場所には寄りません)
同じく購入した参加者の白人ねーちゃんへ店員がターバン巻きの説明。みな食い入るように見て、砂漠ツアーの時に真似しました。
14:00 レストランで昼食と映画記念館へ立ち寄る
ほどなく近いレストランに連れていかれ、少々高めのランチをみんなでいただきました。
昼食はツアー代金に含まれていないため自腹。今回のツアーで連れていかれたランチはどこも高い!格安ツアーなので、いたるところでピンハネされているのかも。
食欲がなかったのもあり、一番安くさっぱり食べられる野菜タジンとスプライトを注文。合計85DH(約千円)。
テーブル席が隣だったベルギー人おじいさんの片腕を見ると、真っ赤で包帯がぐるぐる巻き。モロッコ旅行中に転倒して手を切ってしまい、現地の病院でかなり縫ったんだとか。赤は血液ではなく、昔懐かしい赤チンのようなものなのでしょう。
そんな状態でも、一人でこのツアーに参加するおじいさん、かなりタフです。
みな早々とランチを済ませ、ミニバスに戻ろうとするも、運転手がどこで休憩しているのか分からず、レストランの他の客で混雑する入り口の日陰でひたすらミニバスを待つ。なんとゆるーいツアーなのでしょう。
次にミニバスで連れていかれたのは、ワルザザードの街の外れにある映画記念館のような施設。
運転手いわく、入場料はツアー代金に含まれていないので、見学したい人は自腹でどうぞ、とのこと。
自分を含め、ツアー参加者は誰も入場しませんでした(だって、がらがらで面白くなさそうな施設なんですもん)
入り口前のわずかな日陰で、参加者は身を寄せ合いひたすら15分後の集合時間まで日差しをよけて待つ光景、なんだこりゃ。
そして、ワルザザードを出発し、カスバ街道を通って今晩の宿泊地、ダデス峡谷を目指すのでした(つづく)



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【ドバイ旅行編:vol3まである最初の記事です】

【モロッコ旅行編:vol7まである最初の記事です】

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