
陸マイラーを始めて早2年。
経験を重ね、マイルを貯める知識と現実が分かるようになってきました。
すると、よく陸マイラーブロガーの記事で見かける「誰でも半年で〇マイル、1年で〇マイルを簡単に貯められる」という記事が、本当に実現可能か気になっています。
特に、「数十万マイルが貯まる」という記事。
はっきり言って、難しいと思います!!
こういう記事を書くと、強者陸マイラーブロガーからよく思われないので、誰も書く人いないみたいですが、駆け出し陸マイラーは鵜呑みにしがちなのであえて取り上げます。
2年前の駆け出しの頃の自分がそうでしたから。
今回は、ある有名陸マイラーブロガーの「半年で30万マイル(1年で60万マイル)が貯まる」という記事を次の観点で検証したいと思います。


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誰もが年間数十万マイルを簡単に貯められるのか?
結論から言います!
多く見かけるANAマイルの年間達成目標「216,000マイル」「30~100万マイル」は、平均的な職業・地位・年収の大多数の人にとっては、高嶺の花で難しいです。
ただし、一人で貯める時の話で、夫婦の合算(ともに熱心な陸マイラーの場合)になると、話は少し変わってくると思います。
今回の記事は、「世帯1人でマイルを貯める場合」を前提とします。
陸でマイルをたくさん貯めるには、相当な支出、知識と時間(手間)が必要になります。
多くのマイルを貯めている一部の強者「ANA陸マイラー」の多くは、同時に修行してSFC(ANAプラチナステータス)を保持する人が少なくありません(自分は保持してませんが)。
なので、陸マイラーの社会的地位・収入がどれくらいの層なのか、ANAのオフィシャルサイトに掲載されている「ANAプレミアムメンバー(各種上級ステータス保持者)」についてのデータを参考に推測してみます。
【ANAプレミアムメンバーについて】
※一番多い会員層
■年齢層 :50代(41%)
■職業・役職 :会社員(管理職(40%)
■平均世帯収入:1,200万~1,300万円(38%)
プレミアムメンバーの多くは陸マイルには無関心のセレブ層だと思いますが、その層に食い込む「年間数十万マイルを獲得できる」強者陸マイラーも「子育て等が落ち着き、時間的にも社会的地位・経済力的にも余裕のある層」が多いと推測されます。
もっとも、自分のように航空券代を節約するためにマイペース陸マイラーを目指す「庶民層の若年層」も少なくないと思いますが・・・。
そう考えると、エベレストのような高い目標マイルを貯めるのに「誰でも」や「簡単に」を記事に使うのは適当じゃありません。
強者マイラーほどではなくても、ある程度の知識をもち、自分の生活を崩さずマイペースに進めたい平均世帯の陸マイラーの達成可能マイルは…
年間約10万マイル(半年で5万マイル)が妥当だと思います。
根拠は次のとおりです。
【月間】1万ポイント(ポイントサイトで稼ぐ)×約0.8(ソラチカルート交換率)=月8千マイル(ANA)
【年間】月8千マイル×12か月=年9万6千マイル
月1万ポイントくらいなら、自分のようなマイペース陸マイラーでも、ポイントサイトの利用で貯められる数字です。
ポイントサイトの「無料で多くのポイントをもらえる広告案件」はちょっとリスキーなので、商品・サービスを購入する広告案件を利用する場合、たとえ最大代金の100%相当のポイントバックがあったとしても、必ず家計の支出が発生するからです(例:月1万円の商品を購入=1万ポイント獲得)。
どうやったら多くの人が現実的に月1万マイルを貯められるか、次の記事を参照してください。

だから、自分のブログのマイルを貯めるノウハウ重要記事では、「年1回欧州を特典航空券ビジネスクラスで旅行可能なマイル数(9万5千マイル)」を目標としてご説明しています。
その位の目標のノウハウ記事なら、「簡単」って使っても現実性はあると思います。

年間20万、30万マイルなんて、自分も無理ですから・・・
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ちょっと頑張れば「誰もが」貯められるマイルを考える前提条件~「家計の可能消費額」を考える
まず、家計を圧迫せずにマイルをためるには、「家計の可能消費額」を考えますよね。
ポイントサイトの広告案件を利用する場合では、無料の広告案件もありますが、有料のショッピングやモニター広告案件を利用しないと無理ですから・・・。
家計の平均的な支出内訳を考えるため、次のような想定を。
■30代前後の働き盛り世代、月手取り30万円(ボーナス含めず)
※家族世帯の場合、夫婦共働きだと、30万円以上の収入になるので、可能消費額はもっと増えます。
【世帯の家計の平均的な支出内訳(月)】
※一人暮らし世帯の場合。カッコ内は家族世帯(夫のみ就労)
①公共料金・通信費・保険料:3万円(4万円)
⇒クレジットカード払い
②食費・娯楽費・教養費:7万円(8万円)
⇒クレジットカード払い:4万円(4万円)
⇒現金払い:3万円(4万円)
③住宅費:10万円(10万円)
④貯蓄:7万円(2万円)
⑤予備費:3万円(4万円)
⇒クレジットカード払い
(⑥教育費:2万円)





ポイントサイトで使える金額は…
⇒一人・夫のみ就労の家族世帯ともに:月2万円程度(年24万円程度)


あるいは、「外食モニター」案件も利用できますが、当選する必要があり、利用したい店舗が必ずしも登録されているとは限りません。
クレジットカード決済で貯まるポイントは…(①+②+⑤)
⇒一人世帯:(月)10万円×1%=1,000ポイント
(年)1,000×12=12,000ポイント
⇒家族世帯:(月)12万円×1%=1,200ポイント
(年)1,200×12=14,400ポイント
生活費のカード決済でもらえるポイントは、年間1万ポイント程度とは、超少ないんですね。
【月にポイントサイトで獲得できるポイント数】
月2万円分、ポイントサイトのどの広告から生活用品を購入するかで、獲得ポイント数が変わってきます。
①総合ショッピングサイト(楽天市場等)から:2万円×1%=200ポイント
②高還元率の健康食品のメーカーサイトのみ(青汁等):1万円相当×100%=10,000ポイント相当(例)
※健康食品等をもっと購入した場合は、ポイント獲得数がより多くなります。

月1,000~1,200ポイント(クレカ利用)+200~10,000ポイント(ポイントサイト利用)=月にたった1,200~11,200ポイント程度にしかなりません。
ANAマイルに交換すると、最大11,200×0.81(ソラチカルート)=9,072マイルです。
ここからが本題。有名ブロガーが提唱する「半年で約30万マイル」の内訳を推測・検証してみた
この方、ご自身の30万マイル獲得の内訳をざっくり記載しているのですが、具体的な内訳を書いていません。
常々、この類の釣りタイトル記事のほとんどに、具体性がないのが気になります。
【ある陸マイラーの記事にある「半年で30万マイル獲得(2017)」の内訳】
①搭乗マイル:800
②クレジットカード等:2,400
③ハピタス(家族分含む)110,000
④その他:41,000
⑤SPGアメックスの9万スターポイント移行分:110,000(2万移行ごとにボーナス5千マイル×4回追加)
合計:285,800マイル
検証①「クレジットカード等の獲得マイルについて」
この方、ANA陸マイラーに大人気の「ANAワイドゴールドカード(ポイント還元率1%、年会費1万4千円)」を決済に使ったとします。
このカード、月々のリボ払いを発生する利息との兼ね合いで最小金額に設定するなど、面倒な裏ワザを駆使しソラチカルートで交換すると、ANAマイルへの交換率が1.65%(年間300万円の決済ステージ)になるんです。
ただし、前述の「家計の平均支出内訳」を考えると、我々庶民は、月10万円×12か月=年間120万円程度のカード決済額にしかならないので、1.56%(年間100~200万円台の決済ステージ)になります。
この方もこのANAカードで生活費を決済しているとすると、2,400マイル÷0.0156=約153,846円

半年で約15万円の決済額とは少なすぎるので、別のカードも利用していたと想像できます。
おそらく、陸マイラーに人気の別カード「SPGアメックス(実質マイル還元率1%、年会費3万1千円)を利用していたようです。

つまり、「ブログに貼ってある『SPGアメックスの紹介プログラムバナー』を通して入会した読者がいれば、紹介者にも1万ポイント、新規登録者にも4万ポイント近くがボーナスとして付与される」特典を活用しているようです。
新規登録者の人数が分からないので、仮に半年で6人の登録があったとします(この方のような有名ブロガーだと、実際は半年でもっと紹介数はあると思います)
1万ポイント×6人=6万ポイントの自動付与収入
上記⑤の9万スターポイントー6万=残り3万ポイント

⑤の30,000-17,000=残り13,000スターポイント(=マイル)。
この残りを生活費決済(還元率1%)で貯めたとすると決済額は1,300,000円になります。
(※SPGアメックスのマイル還元率=100円⇒3ポイント⇒1マイル=実質マイル還元率は1%)

ANAカード15万+SPGカード130万=約145万円(月約24万円)にもなります!(あくまで想定ですが…)
仮定した紹介プログラム人数次第で変わってきますが、まあ、この方の現実的な数字に近いと思います

検証②「ポイントサイトの獲得マイルについて」
この方、ハピタスというポイントサイトを主に稼いだポイントで、11万マイルに交換したと記述しています。
つまり、ポイントサイトで稼いだポイントは…
11万マイル÷0.81(ソラチカルート交換率)=約135,802ポイント
約13万6千ポイント÷6か月=月約22,666ポイント稼いだことになります。
先に私が提唱した無理なくためる月1万ポイントの2倍以上ですね。
この月約2万3千ポイントを稼ぐための具体的なポイントサイト利用案件を想像してみましょう。
無料で利用できる高額還元率の案件(クレジットカード発行など)
この方、記事の中で「ポイントサイトに無駄な金はかけず、できる限り無料の案件を利用する」と言っています。
そうなると、まず考えられるのが「クレジットカード新規発行案件」です。
1枚の発行につき、案件利用料は無料で1万ポイント程度ももらえるのですが、気を付けなければならないのが、「発行枚数と頻度」です。
今後のカード審査に影響する「個人信用情報(クレジットカードヒストリー)」に傷がつかないのは、月1枚程度を発行上限にした方がよいとされています。

他の高還元率の無料案件もたまに利用したとします。




13万6千ポイントー9万=残4万6千ポイント


上記の想定は、実際問題、リスクや手間の管理を度外視した数字です。

⇒ブロガーの中には、「自己流エクセルシートに適宜入力」や「メモを作成」などの工夫を記事にしていますが、継続的に乱発する状況では、多忙な仕事人は無理かと(自分は無理です…)

⇒3か月以内に30万円の決済、キャッシング利用枠を〇万円以上に設定、会員登録後1年までは無料(それ以降は年会費かかる)、FX損益点での迅速な売り、

カードは数回利用して1年後に解約(さもないと枚数がかさみクレヒスや審査に影響あり)、会費発生の前の解約の手続きが複雑で面倒(アプリ等)など

⇒クレカ発行はいくつもの個人情報入力、面談案件は業者との何回もの事前やりとりと長時間の面談など

⇒個人情報の漏洩、案件終了後も不動産会社から営業電話など




有料で利用できる商品購入(ショッピング)・モニター(サービスや商品)広告案件
残り4万6千ポイントはショッピングやモニター案件で稼ぐしかありません。

月5千円×6か月×0.01=たった300ポイント

健康食品(青汁など)や美容商品(化粧水やミドリムシなど)がほとんどなのであまり魅力は感じませんが、どれも高還元率(30~100%)ばかりで、欲しいものが見つかればラッキーです。
ただし、1案件につき、1~3万円と代金は高額が多いです。
月1万円×6か月×0.5(平均50%還元とする)=3万ポイント

主に外食モニター案件を利用(といっても競争率激しい中、当選の必要あり)。
約3千円(1回の外食案件平均代金)×半年で10回(月1.6回)×0.5(平均50%還元とする)=15,000ポイント
有料の広告案件合計:46,300ポイント
それに係る購入費用(半年):総合ショッピングサイト3万円+商品別案件6万円+外食モニター3万円=12万円
(月)12万÷6か月=2万円
前述の我々庶民世帯の平均家計を考えた場合の「ポイントサイト利用可能額」は月2万程度だったので、ぎりぎりですね。





そう考えると、波のある有料広告案件で定期的に稼ぐのは現実性がないといえます。

一方、ブログの紹介バナーを踏んで登録してくれる人は、この方のようによっぽどPV数が高い有名ブロガーでないと難しいと思います。多数の初心者やブログをやっていない陸マイラーは、この友達紹介制度の恩恵のポイントは稼げないと思います。
検証③「その他の獲得源(クレジットカード入会キャンペーンのボーナスポイント)について」
先のポイントサイト案件「クレジットカード新規発行案件」で発行したクレジットカードで、ポイントサイトのポイントも1万相当もらえるし、ポイントサイト経由にさらに公式申し込みサイトに飛んで登録手続きをするので、公式カード入会ポイントももらえます。
入会ポイントと同時に「3か月以内に〇十万円の利用でさらに〇ポイント還元」というキャンペーンも多くあるので、入会ポイントに上澄みすると、最大で5千~1万円程度もポイントがもらえます。
おそらくこの方の「その他」の獲得源は、この「入会ポイント」だと思います。
平均7千円(入会ポイント)×6枚=42,000ポイント
30万マイルの内訳(その他:41,000マイル)に近い数字になりましたね。


果たして、年間20万も30万マイルも旅行に必要か(特におひとり様の場合)
このような「多額のマイル獲得ノウハウ記事」の場合、いかにお得か、いかに自分がすごいのか自慢合戦のような色合いが強くなっているように感じます。
あるいは、おいしいタイトルに釣られてきた読者にポイントサイトの登録バナーを踏ませようとか。
昨年から主に夏休みを利用して、マイルを特典航空券に変えて年1回の海外旅行に出かけるようになりました。
仕事を持っている方は、年3回の長期休暇(GW、夏・冬休み)しか自由に休みをとりずらいと思います。
その中でも特にまとまった休みがとりやすい夏休みに1回の海外旅行とか。

マイルを使って無料で特典航空券を発行しても、空港諸税や燃油サーチャージは3万~10万円(途中降機する空港の数や国による)別途支払わなくてはいけません。
そうなると、年に数回の特典旅行は庶民の家計を考えると、ちょっと無理が生じるかもしれません。
せいぜい、一番かかる欧州往復ビジネス特典でも、一人につき9万5千マイルしか必要ではありません。
となると、年間10万マイルも貯めれば、十分ビジネスクラスでゆったり一人海外旅行を楽しめます。
この手の記事タイトルには「一人旅に必要な〇〇マイル」とか、「家族〇人旅に必要な〇〇マイル」とか、想定条件をきちんと記す必要があると思います。
家族3人で欧州に特典海外旅行となると、10万×3人=30万マイル必要になるので、このタイトルが理にかなっていることになります。
その場合、パパやママがタッグを組んで(さらに祖父母も参戦する場合も)、陸マイラー活動を協同して行う必要がありますね。
あ、この方、一人だとソラチカルート(東京メトロポイント~ANAマイル)交換上限額が月2万×0.9×12か月=年間216,000マイルでは家族旅行に足りないとして、奥さんにもう一枚ソラチカカードを発行してもらい、二重のルートでANAマイルを貯めているから、交換上限額は関係なく合算して家族で半年30万マイルが貯まったそうです。

ただし、読み手の多くは「一人で30万マイルを貯め、旅行する」ノウハウと考える人が多いのではないでしょうか。
そう考えると、一人30万ー10万=残り20万マイルの使い道は?(年間30万以上稼いでいる人はもっと)。
マイルが使える他のANAサービスの利用(系列ホテル、系列店舗での買い物等)、マイルをANAスカイコインに交換して「SFC修行」のための航空券購入代に充当する、家族の分もマイルを貯め家族旅行で「パパすごい!」と褒められる…他にこれくらいの用途でしょうか。
自分はおひとり様なので、こんなにマイルを貯めて余らせる必要はありません。
といっても、多く貯まってた方がよいに決まっているのですが・・・
ただし、ご説明してきたように「無理をして家計を圧迫し手間やリスクを承知の上で貯める」までしてがつがつ稼ぐ必要があるのでしょうか?(ただのひがみでしょうか)
まとめ
検証したように、一人で半年30万マイルを貯めるのにはとても無理があります。





以上の理由から、半年30万マイル(月5万、年間60万)という目標値は庶民には高値の花で、マイペースに無理なく活動していきたい「ゆるゆる陸マイラー」には、月8千マイル(月1万ポイント×0.8)が妥当かもしれません。
そうでなければ、活動2年目、3年目以降がつらくなります。
そう考えると、強者陸マイラーとしてマイル積算数を競い合っている方々は、カードやポイントサイト利用額をさほど気にしなくてもよい「経済的にゆとりのある世帯」か、自分の生活を顧みない「無鉄砲な活動家」が多いような気がします。
少々言葉が過ぎましたでしょうか(反省(汗))
こんな庶民層の自分ですが、わずかなマイル獲得をこつこつ貯め、今年の夏休みにANA(スターアライアンス)特典航空券で無料の「世界一周」が実現しました。下記の記事をお読みください。


【自分流】世界一周ができるANAマイルを貯めた裏ワザ大公開…でも今は改悪!?(モニターポイントサイト「ファンくる編」(EPARK案件))



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この記事へのコメント
とおる
風来坊
>とおるさん
それをダメとはどこにも書いていないですよ。
よく記事をお読みください。
>
>結局お前もブログ経由で会員登録の誘導しとるやないけ笑
>